【漫画で本紹介】この夏の星を見る
おはようございます。今回は、辻村深月さんの作品「この夏の星を見る」を読了したので紹介します。
コロナ禍に起きた奇跡を綴った物語
こんな人におすすめ
あらすじ
登場人物
溪本亜紗(たにもとあさ)
茨城砂浦第三高校2年生。
天文学部に所属しており顧問の綿引先生を尊敬している。
安藤真宙(あんどうまそら)
渋谷ひばり森中学校1年生。
中学校で唯一の男子。
理科部に所属することに。
長崎県五島列島 泉水高校
長崎県五島列島泉水高校3年生。
吹奏楽部でつばき旅館の娘。
コロナ禍が原因で辛い目に合うことに。
漫画で読むあらすじ
感想
実際にこれを読むまで緊急事態宣言の時にどのような学生生活を送っていたのか、大人で子供のいない私には分かりませんでした。
この本を読んだときに「そんな辛い青春を送ったのか!」と心底驚いたほどです。
歴史書と言っても過言ではないくらい、この本はずっと読み継いでほしいです。
コロナ禍で初めて緊急事態宣言がだされた真っ只中の話。
まだ記憶に新しい出来事なので今こそ読んで欲しい本です。
これまで普通にできていたことを段々と制限されていく感覚。
いい意味でも悪い意味でもコロナは生活を揺るがしました。
そんななか、学生の人たちはどのような思いで、どのように過ごしてきたのかを赤裸々に描かれています。
差別的意識が芽生えてしまうことも、コロナになって学校や会社にいかなくてよくなってほっとしてしまうことも描かれていてリアルな内容でした。
コロナ世代という言葉は絶対使ってはいけないと強く思いました。
コロナ禍の生活について知れる貴重な本です。
心に響いた言葉
P55
本当に知りたい、と思う時に、「まだ早い」と言われる。
この世界にその仕組みや理由は確かにあるのに、今の自分には理解できないと言われてしまうこと。
亜紗が一番寂しくてがっかりするのは、まさにそこなのだ。
この夏の星を見る
子供の頃誰もが感じたことのあることだと思います。
子供の頃はこういったことはたくさんあって、「あ、理解できないことなんだ」で流していたけど、いざ大人になって説明しようとすると難しい!
子供にわかりやすいように説明することって何よりも自分が理解していないといけない。
それを分かりやすく説明してくれる人に子供の頃の亜紗が出会えたのがとても幸運に思いました。
P442
「実際に失われたものもあったろうし、奪われたものもある。
それはわかる。
だけど、彼らの時間がまるごと何もなかったかのように言われるのは心外です。
子どもだって大人だって、この一年は一度しかない。
きちんと、そこに時間も経験もありました」
この夏の星を見る
コロナという病気は良くも悪くも本当に生活を変えたなと実感します。
いまだに飲み会が会社で行われなくなったこともそうだし、リモートなんてひと昔には考えられなかった。
そういう意味では「奪った」「失った」ものだけではないなと感じることが多いです。
あとがき
ってことで今回は辻村深月さんの作品「この夏の星を見る」でした。
選書の参考になれたらうれしいです。
最後に辻村深月さんの他作品と、読書中級者向けの本を紹介しています。ぜひ覗いてみてください
それでは!
他作品紹介
辻村深月他作品
かがみの孤城
ツナグ