【漫画で本紹介】物語の種
おはようございます。今回は、有川ひろさんの作品「物語の種」を読了したので紹介します。
コロナ禍で疲弊した心を癒してくれる本
こんな人におすすめ
はじめに
短編タイトルとあらすじ
第一話 SNSの猫
物語の種:Twitterのトムを見ていて和むので、SNSで贔屓にしている猫をテーマに(担当編集者)
SNSで話題の「タキシード仮面さま」
その正体はタキシード仮面さまのような風貌をした猫。
その猫がある日脱走してしまってー?
第二話 レンゲ赤いか黄色いか、丸は誰ぞや
物語の種:レンゲ畑の写真(担当編集者)
祖母が亡くなり、遺影探しのさなか見つけた1枚の写真に写っていた花と、祖父が好きだった大河ドラマに関するエピソード。
第三話 胡瓜と白菜、柚子を一添え
物語の種:胡瓜と白菜どっちが好き?(投稿者 りりさん 女19歳)
静岡と高知の県民折衷。
お茶漬けが食べたくなりました。
第四話 我らを救い給いしもの
物語の種:他者にランクをつけられたことが悔しいので、このくすんだ種から花を見させてほしい(投稿者 5月の晴れさん 女27歳)
物語の種はもっと長かったのですが、割愛させていただきました。
物語の中にギュギュっとそのくすんだと言われた「種」を拾い、見事な花が咲きました。
心の折り合いをつけることが出来る物語。
第五話 ぷっくりおてて
物語の種:毎夜訪れるぷっくりおてての可愛いやつ(投稿者 ロックイさん 女37歳)
子供にガバガバ設定を付ける親と祖父と息子の関係が面白い物語。
ぷっくりおてての正体とは?
第六話 Mr.ブルー
物語の種:「リモート会議」でいい感じの物語を。(デビュー担当編集者)
ここから始まる宝塚愛。
Mr.ブルーが気になりだします。
第七話 百万本の赤い薔薇
去年結婚四十年で、妻に贈った薔薇四十本の写真です。(投稿者 ノリさん 男69歳)
その年その年で結婚記念日に贈るものをご存じですか?
私は知らなかったです。
末永く幸せであれ、ありたいと願う物語。
第八話 清く正しく美しく
『ダリアジェンヌ』は宝塚のまち、そして宝塚のOGに支えられる存在になりました。(投稿者 梓晴輝さん 女37歳)
女性としての勇気をもらえる物語。
作中に出てくる「ダリアジェンヌ」は実在します。
第九話 ゴールデンパイナップル
私のささやかな気持ちの回復ポイントとなるミックスジュースを飲む時間が好きです(投稿者 りこさん 女47歳)
心の中の回復ポイント皆さんはお持ちですか?
コロナ禍になり、人との接触が憚れるこの時こそ心の回復ポイントは大事だなと感じる物語でした。
第十話 恥ずかしくて見れない
物語の種:宝塚 双眼鏡 顔が良い 恥ずかしい 見れない(投稿者 しのんチャンさん 男26歳)
この物語が私は一番好きでした。
男性目線というのがまたいいですね。
宝塚を見に行ったことないですが、実際多いのでしょうか?
こういうときの男性の反応が知りたいです。
Mr.ブルー、やっぱ好きです(笑)
※物語の種は長いものがあり一部割愛させていただいています。
感想
読み始めて、このコロナ禍で作家と読者の交流が遠のいている時代にふさわしい企画だなと思いました。
有川さんのもとに届いた種がどのように有川さんが花を咲かせるのか。
お題を渡した人にも、有川さんのファンも楽しめる企画だと思います。
後半は宝塚関係が多いため、ある意味布教本にも感じました(笑/褒めてます)
これだけ脳内に刷り込まれたら宝塚が気になってしょうがないです。
周りに宝塚ファンはいないと思っていたけど、案外生まれる前からファンのMr.ブルーは近くにいるかもしれない。
宝塚用語もでてくるので、宝塚用語の勉強にもなるかも?
心に響いた言葉
P79
女の敵は男だったり女だったりだし、男の敵も女だったり男だったりだろうし、そのときどきだ。
属性を分類することにあまり意味はない。
結局はそいつがどんな奴かだ。
靴底にへばりつくガムは落ちている場所を選ばない。
物語の種
恋心を抱いていた人間がいきなり敵意をむき出しにして来たり、その友人が一緒になって敵意をむき出して来たり。
「女の敵は女」って言葉はあるものの、確かにその人が「どんな人か」というのがすべてだなと感じた一文でした。
P80
不運に見舞われたときは、好きをどれだけ持っているかが耐久力になる。
物語の種
この考え、めちゃくちゃいいですね!?
日々会社などで疲弊することが多いので「推し」って偉大だなと感じました。
私も最近「推し」が出来たので、実践したいです!
P202
標準的な体験ってしといたほうがいいんだよ、多分。
みんなが知ってる基準を知らないのって、気が付かないうちに損したり苦労したりすること多いし。
物語の種
私の中で入学式とか卒業式とか、さぼれるものならさぼりたいと思っていました。
けど、今はコロナ禍によって「やりたくてもできない人たち」がいることに気が付きました。
標準的なことはできるだけやったほうがいいということを頭に置いて生きていきたいです。
あとがき
本当は、第十話の物語を漫画にしようかなと迷いました。
けど、今回は種を持ってきた人たちがいるので、有川さん目線で「はじめに」に書かれていたことを引用させていただきました。
ってことで今回は有川ひろさんの作品「物語の種」でした。
選書の参考になれたらうれしいです。
最後に有川ひろさんの他作品と、読書初心者向けの本を紹介しています。ぜひ覗いてみてください。
表紙もたくさん物語が隠れてて楽しい仕様になっています。
それでは!
作品紹介
有川ひろ(有川浩)他作品
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図書館戦争シリーズ
植物図鑑