【本紹介】ぼくは勉強ができない
おはようございます。今回は、山田詠美さんの作品「ぼくは勉強ができない」を読了したので紹介します。
勉強しろとばかり子供に言っていませんか?
この作品を選んだ理由
この作品は昔から絶賛されていて、ずっと読みたいと思っていました。
今回読む機会ができたのですが、すっごくよかったです!!
子どもよりも大人に読んでほしい作品です、
特に教師になりたい人は必読です!!
こんな人におすすめ
登場人物
時田秀美
主人公の17歳の男子高校生。
バーで働く桃子さんと付き合っている。
サッカー部所属でクラスの人気者。
時田仁子
秀美の母。
秀美には素敵な男性に育ってほしいと思っている。
時田隆一郎
秀美の祖父。
何歳になっても女性を追いかけている。
桃子さん
秀美と付き合っている女性。
バーで働いている。
桜井先生
秀美の理解者でサッカー部顧問。
あらすじ
感想
時田秀美という生徒
「ぼくは勉強ができない」
でも、勉強以外に大事なことがたくさんあることを知っている。
この本、続けて2回読みました。
決して理解できなかったからじゃありません。
時田秀美という男子生徒のことをもっとよく知りたいと思ったからです。
どういう思考をしているのか、どういう考えでそういう言動をしているのか。
というのも、少し理屈っぽい所が私に似ているなと感じたからです。
私の場合あまり言動をにはしないけど、秀美は素直に言動に現わします。
例えば、冒頭のクラス委員長を投票する場面。
頭のいい脇山茂に決定するが、秀美は勉強のできない伊藤友子に投票します。
伊藤友子に票が入ったことに怒る先生。
どこか違和感はありませんか?
どうして勉強ができないって理由で選んではダメなのか。
どうして伊藤友子に票が入っただけで怒るのか。
どうして勉強のできる脇山茂になるのが必然になっているか。
自分の中での「どうして?」がどんどん膨らんでいきます。
先生は「勉強ができない」からクラス委員長に向いていないと思っているのかもしれないですが、クラス委員長に必要なのは「勉強」なの?
秀美の中でクラス委員長に必要なのは「親切さ」でした。
どんな時でも頼りになるのは親切心であって勉強ができるかできないかではないと、多くは語られないがこの場面で読み取ることができます。
だから面白い。
ただ、少し言葉が足らないだけで秀美の思考は本質を見抜く力に長けているなと感心しました。
まだ高校生であるにもかかわらず、そういうことがわかるってことは、勉強ができないんじゃなくてしないだけじゃないかとも思いましたが(笑)
私の漫画あらすじでは表現できなかったのですが、友達に対して居心地が悪いとかではなく、学校に対しての居心地の悪さを秀美は感じ取っています。
秀美の周りの人々
そんな秀美の周りには独自の考えを持つ人々が多いです。
特に母である仁子と祖父、そして恋人の桃子さん。
母は秀美に「魅力的な男性に育ってほしい」と願っており、勉強よりも大事なことを学ぶことを望みます。
祖父はいくつになっても現役で、割と秀美と普通の家族ではできないような会話をします(笑)
桃子さんは、年上の恋人で秀美は真剣に付き合っています。
他にも秀美の周りには個性豊かな友人が多く、秀美は人気者です。
それでも学校はどこか居心地が悪い
充実した学校生活を送っている秀美だけど、学校は彼にとってどこか居心地が悪く感じます。
母曰く「お洋服がちっちゃくなった」ということだそう。
それはいったいどういう意味なのか?
そんな子供とも大人とも取れない年齢の秀美が学校や恋人や友達で悩んだり楽しんだり悲しんだりする青春小説です。
心に響いた言葉
この言葉、グサッときました。
「そんなつもりなかった」ってことってたくさんあったけどそれは鈍感で、なくそうと思ってできるものではないからたちが悪い。
本当に反省しなきゃなと思いました。
最近ようやく「個性」を大事にする風潮があるけども、それ以前は教師は崇めるもので、親に歯向かう行為なんてありえないことだったと思います。
子どもの頃に読むのと大人になってから読むのとでは印象が違ってくると思うので、子どものころ読んだっきりの人には特に読んでほしいですね。
他メディア化
映画
1996年に映画化されているそうです。
残念ながらメインビジュアルを見つけることができなかったです(;´∀`)
あとがき
ってことで今回は山田詠美さんの作品「ぼくは勉強ができない」でした。
選書の参考になれたらうれしいです。
最後に山田詠美さんの他作品と、読書初心者向けの本を紹介しています。ぜひ覗いてみてください
それでは!
Audible
「僕は勉強ができない」はAudibleでも楽しむことができます。
少しの隙間時間でも聴くことで読書ができるのでおすすめです!
ナレーターは中島太基さんがつとめています。
ナレーターが賛否分かれますが、ゆっくりと朗読されているので1.5倍以上でも聴き取れます。
むしろ速めの方がおすすめです。
他作品紹介
山田詠美他作品
ジェントルマン
ファーストクラッシュ