【本紹介】イニシエーション・ラブ
おはようございます。今回は、乾くるみさんの作品「イニシエーション・ラブ」を読了したので紹介します。
普通の恋愛小説に飽きていませんか?
総合おすすめ度
おもしろさ
共感度
世界観
読みやすさ
学び
この作品を選んだ理由
この作品は本屋さんでよく推されているのを目にしていたのでずっと気になっていました。
恋愛小説として推されているはずなのに、いざ調べていると伏線がすごい!という話だったので、今回手にする機会があったため購入しました。
こんな人におすすめ
登場人物
鈴木夕樹(すずきゆうき)
大学生。
合コンで繭子と出会う。
まじめな性格で、奥手。
成岡繭子(なるおかまゆこ)
歯科衛生士。
夕樹と付き合うが、少し不思議な言動をする。
あらすじ
鈴木夕樹は友人に合コンへの参加を頼まれ、参加することに。
そこで成岡繭子と出会い、惹かれてしまう。
二人は合コンのメンバーで会うたびに惹かれあい、付き合うことに。
初めての相手同士、順調に愛を育んでいくー。
しかし、読み進めていくと、ある秘密が読書を驚かせる。
恋愛小説と思わせてミステリー要素が点在する新感覚・恋愛ミステリー小説!
感想
イニシエーション・ラブの意味
イニシエーションの意味は「通過儀礼」。
子どもから大人になるための儀式という意味です。
それを恋愛になぞらえて作中では「イニシエーション・ラブ」という言葉で表現されています。
side-A
side-Aは作中で言うと1章的な役割ですが、この表記はこの作品の素晴らしさを引き立てていると思います。
この作品の時代背景を理解すればするほどエモくなる作品です。
side-Aでは、鈴木夕樹と成岡繭子が合コンで出会います。
合コンのメンバーで遊ぶたびに二人は惹かれていき、付き合うことに。
そして、毎週金曜日は二人でデートをする日になりました。
合コンのメンバーで集まったときにはお互いがヤキモチを焼いたり、お互いの呼び方を決めたりして、楽しく過ごしてside-Aは終わります。
夕樹と繭子それぞれ「ん?」と思うところはあるけども、それはそれとてあまり気にしないようにして読み進めていきました。
side-B
side-Bでは鈴木辰也視点に切り替わります。
ここから少し視点が変わったことで、混乱する方もいるかもしれませんが、とりあえず「夕樹と出会う前の繭子」という認識でいいと思います。
side-Bではこれまでの伏線回収がどんどんされます。
ネタバレになるのであまり語れないのが残念です。
最後に読んだ人に聞きたいことは「人間って怖い?」です。
それぞれの事情を考えると、怖い人間はあまりいなかったように思います。
「夕樹は夕樹で初めて彼女だった」こと
「繭子は繭子で〇〇から〇〇を〇〇てたこと」
「辰也は辰也で東京異動でのストレスがあったこと」
今回の感想には出していませんが辰也の会社の「石丸さんは石丸さんで元カレからひどい振られ方をしたこと」も重なり合ってできたように思います。
恋愛ミステリー小説
このジャンルがあるかは謎です(笑)
人が死ななない作品なのでミステリーが苦手な人も読める小説です。
読んでるうちに、〇〇さん(読者によって異なる)ってやばい人?とか思ったりしますが、人によって感じ方が違ってきそうです。
心に響いた言葉
間違っていたことに気づいたら修正しなければいけない。
それは、仕事の上での話では?
とも思わなくはない言葉でした。
けど、お互いの成長のために必要かどうかっていう意味で考えると難しいですよね。
「絶対」っていう言葉は危ないから使わない方がいい。
という言葉が印象的な本があったくらいに気を付けたいと思いました。
「絶対」って子供のころは簡単に使っていましたが、大人になってからは使わないように心がけています。
「思い込み」という可能性があるって意味でも今後も気を付けたいと思います。
最終的に「絶対」を捨てた人間というのは大人であるということを考えると「確かなもの」を探すのにも苦労しそうです。
そういう意味では中身が子供のままの方が生きやすいのかもしれないですね。
「今」を生きるしかないから苦しいかもしれないけど、切り捨てられる「強さ」もあるのかもしれません。
他メディア化
映画
主演は松田翔太さんと、前田敦子さんです。
原作を再現されているかはわかりませんが、それは観てからのお楽しみですね。
あとがき
普通の恋愛小説に飽きた人には特に読んでほしいですね。
ラジカセを使ったことのある人は、ぜひ最初にその時代のことを思い出してほしいです。
ってことで今回は乾くるみさんの作品「イニシエーション・ラブ」でした。
選書の参考になれたらうれしいです。
最後に乾くるみさんの他作品と、読書中級者向けの本を紹介しています。ぜひ覗いてみてください
それでは!
Audible
「イニシエーション・ラブ」はAudibleでも楽しむことができます。
少しの隙間時間でも聴くことで読書ができるのでおすすめです!
ナレーターは表記されていないので、不明です。
けど、聴き取りやすく、優しい声でした。
女の人はちゃんと女の人の声でされているため、会話が誰と誰かわからないということはないです。
けど、よく聴いていないと重要なところを聞き逃すこともあるようなので注意です。
何かをしながら聞き流すのはお勧めしません。
他作品紹介
乾くるみ他作品
セカンド・ラブ
嫉妬事件