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【本紹介】水を縫う

ぽち
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ぽち
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おはようございます。今回は、寺地はるなさんの作品「水を縫う」を読了したので紹介します。

 

家族のこと、どれだけ知ってますか

総合おすすめ度 

 

おもしろさ 

共感度   

世界観   

読みやすさ  

学び    

あくまでも個人的な評価です。

 

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この作品を選んだ理由

どんな話か知らなかったです。

けど、話題になっていたのは覚えていて、この綺麗な表紙をたまたま見かけたので手に取りました。

私がよくする表紙買いです(*´ω`*)

 

こんな人におすすめ

読書初心者

女性なのに、男性なのに異性が好きそうな趣味を持っている

家族愛を読みたい

 

登場人物

松岡清澄(まつおかきよすみ)

お裁縫が好きな男子高校生。

姉のためにウェディングドレスを作ることを決意する。

 

松岡水青(まつおかみお)

清澄の姉。

可愛いものが苦手で結婚を控えている。

 

松岡さつ子

清澄の母。

すぐに「やめとき」って言って子供たちを止める。

しかし、その裏にある想いとは・・・。

 

松岡文枝(まつおかふみえ)

清澄の祖母。

清澄に裁縫を教えた。

若い頃にできなかったことに挑戦しようとする。

 

黒田

清澄の実父の仕事先の社長。

毎月松岡家にお金を渡しに来る。

 

あらすじ

手芸好きの男子高校生の松岡清澄。

その家族は4人おり、もうすぐ結婚式を挙げる姉の水青(みお)、清澄が小さい頃に離婚をし、市役所に勤めている母、そして、清澄に手芸を教えた祖母。

水青の結婚式で着るウエディングドレスで好きなものがないという言葉を聞き、清澄はウェディングドレスを作ることを決意する。

しかし、何度作り直しても水青の気に入ったものにはならず、母からはいつも通り「やめとき!」と反対され、祖母は目がどんどん見えにくくなったせいか手芸をすることが少なくなった。

しかし、それには家族それぞれの想いがあり、一人一人の気持ちを章を追うごとに明らかになっていく。

家族との絆が描かれた感動ストーリー。

感想

姉のドレス

姉の水青は過去のトラウマから可愛いものが苦手で、レンタルドレスの中に姉の要望が満たされることがなく、悩む日々を送っていた。

「そしたら僕、ドレスつくったるわ」

裁縫が好きで、得意な清澄はそんな姉を見てウェディングドレスを作る約束をする。

そうして清澄のウェディングドレス作りが始まった。

 

それぞれの気持ち

この本では一章ごとに主人公が清澄・水青・母・祖母と交代していきます。

それによって、それぞれの家族の気持ち、過去、想いが浮き彫りになっていき物語に深みを帯びていきます。

実際家族に自分の気持ちって言えていますか?

特に一緒に住んでいると「言わなくても分かるでしょ」と思い込んでしまうことってありませんか?

私が特にそういう性格なのでこの物語を読むことによって家族という団体ではなく個であることを再認識しました。

 

男だから女だから

昨今ではあまり言わなくなりましたが、「男なのに○○が好きなのはおかしい」「女なのに○○が好きなのはおかしい」という風潮。

場所によってはまだこういうこと言う人がいるのも事実ですね。

主人公の清澄自身も「裁縫が好き」という理由で友達ができなかったり、バカにされる対象にされてしまったりしてしまいます。

人と少しでも違った言動をすると、それをマネしてからかったりするのは閉鎖された空間では悲しいけど起こりうることなんですよね。

清澄がマネをされるシーンとか心がキューっとつかまれた感覚になって苦しかったです。

しかし、その先を読んでいくと「なに?」と清澄はちゃんと言い返してて、私とは違って強くて驚きました。

私もちゃんと「なに?」って聞けるくらいに強かったらもっと違ったのかなと。

「話しても無駄」って思うのではなくちゃんと「なに?」と聞けるような自分になりたいです。

 

日本人だからこその距離

海外のドラマや映画などを観ていると、体で愛情を表現していることが普通だと感じます。

それに比べて日本って昔から恥ずかしがり屋さんが多いのか、分かりづらい愛情表現が多いですよね。

例えばよくある日本のドラマでも電話で母親が「ちゃんと食べてる?」って言葉がありますよね。

昔Twitterでそれを「愛している」って意味だというツイートをしている人がいて「なるほど!」と納得しました。

そんな日本人特有の愛情の表現がこの本に詰まっているように思いました。

直接的な言葉や形にするから「愛情」ではなく、「愛情」にもさまざまな形があることにも気づかされました・

 

ぽち
ぽち

家族の愛情を描いた物語なので読書感想文にもおすすめです。

心に響いた言葉

人に合わせるために自分の好きなことを隠して生活するのって辛いですよね。

この主人公は自分の好きなものをちゃんと大切にしているので、強いですよね。

人の興味のあることって私も気になったりするけど、その逆もしかりなのかなと、最近は思ったりしています。

 

失敗してほしくないから子供たちがなにかやりたいって言っても否定してしまう母。

しかし、その母「祖母」からこの言葉を聴いて少しずつ変わっていきます。

自分自身の人生が失敗だったか・・・。

これって難しい質問ですよね。

失敗だったことは確かにあるけど、人生全体で考えたときに失敗じゃないと考える人の方が多いのではないでしょうか。

 

自分もモノづくりがあまり得意ではないので母の気持ちも分かります。

子どもに対して手作りモノを求められてしまう…これだけで辛かったのがすごく伝わりました。

私は「手作りのモノ=愛情」という世間体があるだけで生きづらく感じてしまいますね。

けど、この清澄の「自分と違うやりかたを選ぶ人を否定するような生きかたを、僕はしない。したくない」という言葉にはすごく救われました。

私もそうありたいです。

 

あとがき

読むにつれて家族を1人の人間として意識するようになります。

これまでに考えつかなかったことなどにも気づかされる物語。

あなたの人生は失敗でしたか?

むしろ失敗する権利がある人生だとこの本に気づかされました。

軽やかに読めるけど決して内容が薄いなどではない、心に染みる物語でした。

 

ぽち
ぽち

ってことで今回は寺地はるなさんの作品「水を縫う」でした。

選書の参考になれたらうれしいです。

最後に乾くるみさんの他作品と、読書中級者向けの本を紹介しています。ぜひ覗いてみてください

それでは!

 

Audible

「水の縫う」はAudibleでも楽しむことができます。

少しの隙間時間でも聴くことで読書ができるのでおすすめです!

 

Audibleを始める

 

朗読は声優やナレーターをしている内野恵理子さんです。

パキッとした話し方が耳に心地よく、すっきりと読了できました!

 

他作品紹介

寺地はるな他作品

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大人は泣かないと思っていた

 

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マイペースに本を読んでその本のあらすじを漫画にして紹介しています。 少しでも本に興味がある人が増えたら嬉しいです。 イラストを描くことと手帳と本が好きです。
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