【本紹介】いいからしばらく黙ってろ!
おはようございます。今回は、竹宮ゆゆこさんの作品「いいからしばらく黙ってろ!」を読了したので紹介します。
夢を追いかける混沌青春群像劇!!
総合おすすめ度
おもしろさ
共感度
世界観
読みやすさ
学び
この作品を選んだ理由
もうこれはタイトルでしょ!
素敵な装画も素敵すぎる!米代恭(よねしろきょう)さんが描いているそうです。
このタイトルと装画はもう心惹かれてしまいますよ。
演劇の話なのかなというのも装画を見てピンときました。
何かに熱中している、こういう演劇とか音楽とかの物語が好きなので、即買いでした。
こんな人におすすめ
登場人物
龍岡富士
両親はタツオカフーズの社長にもち、双子の兄、姉、弟、妹を持つ。
よく双子の面倒を見ていたからか、混沌に対して耐性が高い。
須藤淳之介
大学の友人。
大学の時に富士と仲が良く、芝居をよく観に行っていたが、ある日姿を消す。
南野正午
バーバリアン・スキルの団長。
自分大好きで、ガタイが大きい、超人。
蟹江亮
バーバリアン・スキルの脚本兼演者。
同じ南野荘の住人。
東郷蘭
バーバリアン・スキルの演者。
人を魅了するダンスをする。
金丸大也
バーバリアン・スキルの演者。
影が薄いため、あまり目立たない。
蘭とよく行動を共にしている。
あらすじ
卒業する前に親の決めた婚約が解消されてしまったため、就職することができなくなった主人公の龍岡富士。
そんなどん底にいた富士は卒業式の日にバーバリアン・スキルに出会う。
しかし、芝居が始まると異臭騒ぎが起きてしまい観客はパニックに。
双子の上と下の間で育った富士は、すぐに場を仕切り、劇場から観客を無事脱出させることに成功。
その後、バーバリアン・スキルから連絡が来て入団することに。
その後に待っていたのは、これまで以上の混沌だった―!
カオスな青春小説。
感想
お金持ちのお嬢様
両親はタツオカフーズの社長をしており、双子の兄姉、弟妹を持つ主人公の龍岡富士は昔から双子に振り回されて育ったため、高度なトラブル対処能力を持っています。
そんな富士ですが、大学の卒業式を迎えるころ、失恋をしてしまします。
タツオカフーズ内で働く社員を同族企業の役員として迎えるための親公認の婚約予定でした。
しかし、富士は「この形ではなくてもこの人と結婚した」というぐらいには好きになっていました。
なのに、「結婚は愛する人とするべきだ」という理由で相手から振られてしまします。
相手はタツオカフーズの有能社員ということで、会社に残るように両親は説得。
富士も同じく社員として入社する手はずだったが、この件があったことで入社は見送りになります。
更に、他の会社で働くことも許されず、実家でほとぼりが冷めるまで大人しくしていなさいと両親に言われる始末。
このことを卒業の打ち上げの時に友達に言ったところ、返ってきたのは慰めの言葉ではなく罵詈雑言。
いたたまれなくなった富士はトイレへと逃げ込みます。
しばらくトイレで落ち着くまで待っていとき
「生きてるー!?」
聴いたことのない声がし、あるチラシが上から降ってきます。
それは「バーバリアン・スキル」の芝居「見上げてごらん」のチラシでした。
その名前を富士は知っており、けど、なんで知っているかも、どういう劇団なのかも知りませんでした。
「知りたい」と思った富士は、劇場へと駆け出します。
バーバリアン・スキルとの出会い、そして・・・
あまりにも古い劇場で驚きつつもいざ芝居を観ようとしたとき、異臭騒動が起きます。
驚いた観客はパニックを起こしそうになるが、混沌(カオス)に慣れている富士は落ち着いて場を仕切ります。
当の主催であるバーバリアン・スキルは、喧嘩は始めるわ、泣き出してしまうわ、観客のことなどそっちのけ。
富士は無関係者にも関わらず観客の対応をして場を収めることに成功しました。
そして、その成果からバーバリアン・スキルに入ることになります。
混沌を解決していく力を発揮
バーバリアン・スキルは今にもなくなりそうな劇団ということが徐々にわかっていきます。
そんな劇団を復活させようと富士は一つ一つ着手していきますが、もちろん一筋縄ではいきません。
いなくなった団員、乗っ取られたHP、そしてやっぱりお金もない。
「好きなこと」をするにはやっぱりお金が何よりも不可欠だということが痛感しました。
バーバリアン・スキルにハマった富士はすぐにお金を出そうとしてしまいます。
多分、これまでに大人しくしていた反動(?)があるんじゃないかな・・・。
富士が入ったからすぐに解決!ってわけでもなく、ちゃんと一つ一つに向き合っている姿が心打たれる作品でした。
ちなみに私が一番好きなキャラは蟹江さんです。
脚本でもあり、演者でもある彼は本当に努力家で、そういう夢に向かって頑張っている人っていいですよね。
富士、もうちょっと彼のことを見てあげて・・・!!
キャラクターは個性的ではあるものの、思ったよりも常識はずれな人ばかりというわけではないと感じでした。
心に響いた言葉
自分の気持ちをこれまでに伝えることができなかった富士。
その富士がやりたいことを見つけ、夢を追いかけることに目覚める。
それは、朽ちそうな舟で、いつ沈んでもおかしくない。
それでも、自分のやりたいことに対して真摯に向き合い、舟を漕いでいく姿はまぶしいなと感じました。
夢に向かっている人ってなんでこんなにかっこいいんだろう。
この言葉はずっと覚えていたいです。
嫌な仕事とか、やりたくない仕事もあるし、自分じゃなくてもいい仕事なんてたくさんあるけど、ちゃんと向き合っていくことって大事だなと感じました。
私も見習って、全力で仕事をこなしていきたいです。
あとがき
読んだ後に初めて「とらドラ!」を書いた作者さんであることを知りました。
普通の文芸書も書いていると思いませんでした。
「とらドラ!」アニメは観たのですが、小説も読みたくなりました。
なるほど、分厚いのに読みやすいわけだ!と納得しました(*´ω`*)
ってことで今回は竹宮ゆゆこさんの作品「いいからしばらく黙ってろ!」でした。
選書の参考になれたらうれしいです。
最後に竹宮ゆゆこさんの他作品と、読書中級者向けの本を紹介しています。ぜひ覗いてみてください
それでは!
Audible
「いいからしばらく黙ってろ!」はAudibleではまだ対応されていませんが、他作品は聴くことができるのでおすすめです。
他作品紹介
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